社長ブログ

建築のあれこれ「土地の見方と注意点・地盤」2017.03.21

住宅の耐久性を決めるのは、なんといっても地盤です。

地盤が弱いと不均一に土地が沈む不同沈下が起き、壁がひび割れ

たりドアや窓が開きづらくなったり、最悪の場合には家が傾いて

倒壊します。

また、普段は何も起きなかったとしても地震の際一気にこれらの

症状が現れることもあります。

地盤の強度は1平米当たり何トンの重量を支えることができるか

という「地耐力」という単位で表し、一般的な土地は3トン以上

あります。

どの位の地耐力が必要かは、上に建てる建物の重量によります。

つまり、ある土地で木造住宅は建てられても鉄筋コンクリートを

建てるためには地盤改良が必要になるということがあります。

土地を買う前にぜひとも正確な地耐力を知りたいところですが、

候補地の地盤調査にいちいち費用をかけるわけにもいきませんし、

売主がすぐ許可してくれませんので、まずは地形からおおよその

検討をしてみましょう。

近くに川があって、元々は川か川原だった可能性のある土地、

湿地帯で池や沼を埋め立てた可能性のある土地、造成によって

盛土をされた土地などは地盤が弱い可能性があります。

また、近所の家の基礎部分や窓周りにひびが入っている場合も

要注意です。

逆に古くからの住宅地や現在重い建物が建っている土地は地盤が

強い可能性が高いのですが、数m離れただけで地耐力が全く違う

こともあり、それだけで確実だと考えることは早計です。

また、売主が調査した地盤データを不動産会社が持っていたり、

土地そのものでなくても付近の地盤強度のデータを役所が持って

いることがありますので不動産会社や役所の建築課に聞いてみて

ください。ただし土地の欠点を積極的に明かそうとする良心的な

不動産会社はそう多くありませんので、データがない場合は説明

を鵜呑みにしないほうがよさそうです。

万一、地盤が弱そうだからといってすぐにあきらめる必要はあり

ません。支持層まで杭を打ったり、地盤改良したり、また基礎を

ベタ基礎にするなど、十分な対策を講じることにより安全に家を

建てることができます。ただし、その費用分が余計にかかるので、

地盤対策費用を足した上で、その額が土地の魅力と釣り合うのか、

予算を確保できるのかを検討することが必要です。

地盤対策費は地耐力と建物の重量によって様々ですが、木造2階

建て、30坪の家の場合、最大で200万円というのがひとつの目安

でしょう。

いずれにしても、土地を買って家を建てる前には必ず地盤調査を

行って、正確な地耐力を把握する必要があります。

住宅で行われる地盤調査の代表的なものには、スウェーデン式

サウンディング試験とボーリング試験があります。

どちらの方式で行うかは、家づくりの依頼先にご相談ください。