社長ブログ

失敗事例から学ぶ家づくり成功の秘けつ(7)2016.07.01

「自由設計」でコストがどんどん膨らんで…

思うままに設計でき長い間思い描いていた夢の家ができる!

自由設計という言葉に、希望がふくらみ、住宅会社に次々と

要望を出していきたくなります。

しかし、住宅会社の言われるままに自由に設計をしていくと、

予想以上のコストアップという結果になってしまいます。

家づくりをしていく中で費用が多くかかるのが、内装材より

外装材と言われています。

つまり、外壁や屋根材、基礎のコンクリートなどの費用です。

思うままに間取りを設計し、間取りが複雑になればなるほど、

外装材の費用がかかりコストアップするのです。

コストを押し上げるのには、ふたつの要因があります。

ひとつは、複雑な家のほうが材料費がかさむということ。

もうひとつは、複雑な家のほうが大工さんの手間がかかると

いうことです。

たとえば、外壁のことを考えてみましょう。

仮に64㎡(19坪)の平屋を建築したとします。

同じ64㎡でも、8m×8mの家と、5m×12.8mの家とでは、

外装材にかかる費用がまったく異なります。

前者の家は、8m×4=32m分ですが、後者の家は、

外壁が12.8m×2+5m×2=35.6m分必要になります。

つまり、後者のほうが1割も多く外壁材が必要になるのです。

こういった材料費は、外壁材ばかりでなく、基礎コンクリート、

雨樋などにも反映するので家一軒のコストを大きく押し上げる

のです。

この例は、正方形から長方形になっただけなので、比較的、

差はないのですが、家に凹凸ができるほど材料費はかさんで

きます。凹凸のある家を作ることで使い勝手がよくなったり、

素晴らしいデザインになったりして満足がいくということで

あれば、コストアップも苦にはならないかもしれません。

しかし、多くの場合は、使い勝手がよくなるわけではなく、

家を作る側の自己満足で終わることがほとんどです。

むしろ、家の形が複雑になって強度が低下したり、雨漏りが

したりするなどの弊害が出てこないとも限りません。

又、シンプルな家より複雑な家のほうが手間がかかるのは、

当然のことです。

手間がかかるということは、多くの時間がかかります。

とはいっても、特別よいものができるとは限りません。

かつては、大工さんも複雑な家がどれだけ作れるかにより

技術力を競うところがありました。

しかし、住む側にとっては使い勝手のよい家が一番です。

家づくりでもっともコストがかかるのが大工工事です。

大工さんの手間賃、材木費などは複雑な家では、シンプルな

家の倍かかると考えておくとよいでしょう。

お金を倍出したから、その分、住みやすい家ができるとは

限らないことを覚えておきましょう。