社長ブログ

知っておきたい不動産業界の風習2014.11.17

今回は、当社のお客様から自宅マンション売却についてご相談が

有りましたので、不動産の基礎知識について簡単に触れてみます。

不動産(土地、建物、マンション等)を検討したことがある人なら
誰しもが見たことがあると思いますが、どこの不動産屋さんに行っても、
ある一定の決まった書式のものを渡されます。

さっきの不動産屋さんでも見たなと思って注意深く見ると、
一番下の帯の不動産業者名が違うだけで、物件は同じだったりします。

これは不動産流通機構(レインズ)に登録されているという意味です。
不動産流通機構とは、売却や購入を考えている人の利益を保護する為に
不動産業界が連携して情報を共有、公開し、買い手や売り手を探す
システムのことを言います。

一般的に、不動産業者は買いたい、売りたいと相談されれば、
他社に情報を公開したくありません。
内密に相手を探します。

なぜなら、相談した人の仲介に入って手数料がもらえたとしても、
情報を一般に公開すれば、他の不動産業者がその相手方を探してきて、
その相手方の仲介手数料を持っていかれてしまうからです。

例えば5000万円の物件を売りたい人の相談を受けたとしましょう。

まずは、自社の引き合いのお客様にあたります。
買いたい人が自社の名簿から出てくれば、
それぞれから3%+6万円(156万円)が入ってきます。
合わせると312万円(税別)にもなります。

しかし、情報を公開し、他社が買いたい人を連れてくれば、
他者に半分の156万円を持っていかれてしまいます。
こんなもったいないことはしたくないと思うのは当然のことです。

ちなみに、前者の両方から仲介手数料が入ることを
業界用語で「両手」、

後者の片方からしかもらえないことを「片手」といいます。
だから、相談すると多くの不動産業者は、
「一般媒介よりも専任媒介のほうが一生懸命探そうとするし、
報告義務もあるから安心ですよ」と他社に依頼できないように
一般媒介ではなく、専任媒介でお願いしてきます。

しかし、皆さんがお客様の立場だったらどう考えますか?
一刻も早く売りたいと思えば、どこが仲介に入ってもかまわない。

なるべく多く買いたい人の情報が欲しいと思わないでしょうか?
どこが仲介に入っても、不動産業は成果報酬なのだから、
支払う金額は同じです。

支払う相手業者が違うだけです。
こうした、消費者の不利益を保護する為につくられたのが、
不動産流通機構です。

そう考えれば、皆さんはもうおわかりですね。
土地を売却する人は、一般媒介で複数の不動産業者に依頼したほうが、
情報量が多くなり、結果的に成約が早くなります。

ただし、一般媒介では不動産流通機構への登録義務はありません。
したがって、一般媒介の契約をする時に不動産流通機構に登録して
くださいと申告したほうが良いでしょう。