ユニバーサル・デザイン
ユニバーサルデザイン -空間確保性-
いよいよ「ユニバーサルデザイン7原則」の最後、7番目の原則である『空間確保性』について...
『Size and Space for Approach and Use』=「接近性や大きさ、空間の広さが十分に有効であること」と訳されています。
すなわち「省スペース性」のことです。
元々、海外で生まれた『ユニバーサルデザイン』ですから、考え方がそのまま日本で通用しないこともあるのですが、この『空間確保性=省スペース性』に関しては、最もその意味のギャップがあるモノです。
なぜなら...
『ユニバーサルデザイン』発祥の地、アメリカは広大な国です。
日本と比べ物にならない広さです。
と言うことで、基本になる「サイズ」が違うのです。
土地も、人間も。。。(苦笑)
元来、日本人は器用ですし、狭い空間の有効利用に関しては上手い人種です。
だとすると、日本において『ユニバーサルデザイン』を考える時、一番最初に考えなければいけないのが、この『空間確保性』なのではないでしょうか?
(7原則では、7番目ですが。。。)
やはり、日本独自の『ユニバーサルデザイン』を構築していく、必要があるわけで、それには、日本の現状にあったキーワードの順番を考えるなければいけないでしょう。
だとすると、この『空間確保性』が最初だと私は、思うのですが...
あなたは、どう思われますか?
ユニバーサルデザイン -省体力性-
「ユニバーサルデザイン7原則」の6番目の原則は、『省体力性』について...
『Low Physical Effort』=「使用する時に無理な姿勢や、余計な体力が不必要であること」と訳されます。
『Effort』=「努力、骨折り、がんばり」と言った意味がありますから、「そんなに頑張らなくても、体力を消耗しなくても、使用できる」と言うことではないでしょうか。
しかしこの『省体力性』も、『自由度(2番目)』や、『単純性(3番目)』と同じく、気をつけなければいけない点があります。
それは、あまりに簡単で楽に使用できると...
「それ以外、それ以上のモノに興味を示さなくなる危険性(自由度)」と、「複雑さを克服していく力が衰え、やがて力がつかなくなる(単純性)」と同様に、「楽に使えると言うことは、体力の衰退につながる」と言うことなのです。
例えば、エスカレーターや、エレベーター。
とても便利ですが、そればかり使っていると...
「メタ○○○○症候群」。。。怖いですね(苦笑)
あなたは大丈夫ですか!?
実際に使う側に立ったデザインが必要であり、必要に応じたレベルのものを使用することが大事ですね。
ユニバーサルデザイン -安全性-
「ユニバーサルデザイン7原則」の5番目は、『安全性』について...
『Tolerance for Error』=「デザインが原因となる危険性や事故発生が皆無であること」と訳されています。
これもちょっと難しく訳されているような気がします(苦笑)
・『Tolerance』とは、「寛大 寛容、抵抗力、耐性」。
・『Error』は、今や日常的に使われていますからあなたもご存知と思いますが、「間違い、過失、あやまち」とそれぞれ、訳すことができます。
これを組み合わせてみると...
「デザインによる危険性を無くし、事故発生を未然に防ぐ方策を考えることを第一(最優先)とし、万が一の場合(事故発生)の対応策も考えておく」
と言うことではないかと、私は考えます。
いかがですか?
ちなみに『安全性』については国の定める制度や、各業界での自主規定などの「基準」があります。
しかし、これらの「基準」を満たしていても「安全」とは言い切れません。
「安心」とセットで考えなければ、真の「安全」とならないと思うのです。
例えば、身近な道具に「カッターナイフ」がありますが、従来からの「鋏(はさみ)」では出来ない切り方や、削ることも出来て大変便利です。
しかし、その使い方を誤ると...
危険ですね(苦笑)
「カッターナイフ」とは、『○○するもので□□な使い方をする』ものであることを理解した上で、『△△な使い方をすると危険である』ことも、あわせて考えなければいけないと言うことではないでしょうか。
ユニバーサルデザイン -情報理解性-
「ユニバーサルデザイン7原則」のうち4番目は、『情報理解性』について...
『Perceptible Information』=「必要な情報的要素が即、理解できること」と訳されます。
ちょっと解りにくいですね(苦笑)
そこで別々にみてみると...
・『Perceptible』とは、「知覚できる、認知できる」。
すなわち、目で見て、触って、それが「何だか解る」と言うことになります。
・『Information』は、あなたもご存知のとおり、「情報、知識、見解」。
これをあわせて考えてみれば...
「そのモノの使い方(使用方法)、使い道(使用用途)が解りやすく表示されている情報」となるでしょうか。
これらの情報が明確で、簡単なことが求められるということなのです。
あなたは、どう思われますか?
ユニバーサルデザイン -単純性-
「ユニバーサルデザイン7原則」の3番目、『単純性』について...
『Simple and Intuitive Use』=「単純で、直感的に解りやすい使用方法であること」
...と、訳されますが1番目の『公平性』でも書きましたが、まさに【シンプルデザインである】と、言うことではないでしょうか。
基本的は、この「単純でシンプルであること」が、一番大切な考え方であると、私は思います。
しかし、「使い方が直感的に解りやすく、簡単である」と言うことは、一方では弊害や、問題をもたらすことにもなります。
前回の『自由度(柔軟性)』と共通することで、あまりに直線的(単純で)簡単過ぎると、「複雑さを克服していく力が衰え、また、力をつけようとする努力が無くなり、やがては力がつかなくなる。」と、言うことにもなるのです。
だとすれば、先ず、デザインする(デザイナー、製造者)側が、使う人によって何が最適であるかを十分に考慮し、また使う側も慎重に選ぶことが大事なのではないでしょうか。
その立場に立って考え、自らすすんで工夫したり、努力すること...
必要ですね。
ユニバーサルデザイン -公平性-
『ユニバーサルデザインの7原則』について、7回シリーズでお話しようと思いますが、先ずは、この考え方を提唱した人物をご紹介しておきましょう。
その人物の名は、「ロナルド・メイス」
アメリカ、ノースカロライナ州立大学の先生で、彼自身も身体に障害をもっていたため、それまでの「バリアフリー」の考え方に代わるモノを模索していました。
そんな中から...
【できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること】
をユニバーサルデザインの定義としたのです。
その中では、さらに細かく、考え方が示されており、それが所謂『7原則』と言われるモノです。
その1番目が、『公平性』と言われるモノです。
『Equitable Use』=「誰にでも公平に使用可能で不利にならないこと」
と訳され、言葉では簡単ですが、1番難しいことかもしれません。
なぜなら、全ての人に100%公平であることは、絶対に不可能だからです。
そこで、考え方を変え、「もっともな」とか、「理にかなった」などの意味にとらえ、デザインを考えるべきではないかと考えます。
「シンプル・イズ・ベスト」=『シンプルデザイン』=【公平性】
あなたは、どう考えますか?
ユニバーサルデザイン -自由度-
「ユニバーサルデザイン7原則」の内、2番目は『自由度(柔軟性)』について。
『Flexibility in Use』=「使う上でのフレキシビリティーがあること」
これも言葉では簡単ですが、なかなか難しいことです(苦笑)
初めから、柔軟で、自由であることは大事なことですが、多数ではなく、個人(少数)の好みに対応していては範囲が狭くなるからであり、それは、それ以外、それ以上のモノに興味を示さなくなる危険性があると、いうことなのです。
あまり簡単だと、すぐに慣れてしまい、進歩がなくなることと同じです。
そこで、他の意味である「融通性」や、「適応性」に着目し...
「使用者に一つの使い方だけではなく、他の使い道もあること、感じさせること、考えさせるように工夫が必要である」
と言うことでは、ないでしょうか!?
ユニバーサルデザイン -はじめに-
『ユニバーサルデザイン』は、『バリアフリーデザイン』と並び、重要なキーワードの一つです。
その意味は...
【障害のある人も、無い人も、等しくしようできる製品や、環境のデザイン】
どうですか?
あなたは、正しく理解されてましたか?
現在は何の問題(障害)が無くても、将来何らかの障害が発生しても、その両方に対応できるようにデザインすることが、『ユニバーサルデザイン』の本来の意味なのです。
建設業界において、簡単に想像できるイメージとしては...
・『ユニバーサルデザイン』=【新築】
・『バリアフリーデザイン』 =【増・改築】
になると思います。
いずれにしても、使う人、住む人の立場に立ってデザインを考えることが、最優先と言うことではないでしょうか。
-予告-
次回から、『ユニバーサルデザイン』の【7原則】について、お話していきます。


