社長ブログ

建築のあれこれ「デザインを優先したために・・・」

あるお客様よりご相談を受けた事例です。

完成して約1年ですが雨漏りに悩んでいます。雨漏りが

している場所は玄関ポーチの屋根です。 今のところは

工務店が補修をしてくれ、何とか塞がっています。

工務店に話を聞くと、「ポーチは、雨漏りする可能性が

あった」とのことでした。

さらに詳しく聞いてみると、事前に工務店と建築家間で

「(工務店)この工事は難しい」

「(建築家)このデザインでないとダメ、できるはずだ」

というやり取りがあったようです。

建て主の私はこの話を全く知りませんでした。

建物全体のデザインには満足していますが、雨漏りして

いるポーチ部分のデザインに対し、私から要望を出した

記憶はなく、雨漏りの危険があるのに相談をしてくれな

かったことが納得できません。

工務店が誠実に対応してくれているのが救いですが、

この件について建築家からは謝罪の言葉や説明がないの

ですが、建築家にその責任はないのでしょうか?

相談者のご要望どおり、雨漏りがする可能性があるなら

建築家がそのリスクを建て主に当然伝えるべきですし、

工務店もその懸念があったのですから、建て主に話して

おくべきです。

建築家が設計・監理をする場合、全て建築家の言うこと

を聞かなければいけないと勘違いしている工務店が少なく

ないようですが、建築家は、建て主が了承した設計内容に

対し工務店を監理するのであり、建て主が了承していない

設計通りの工事を強要されることはありませんが、実際は

建築家が自身の作品と勘違いしてしまうことが往々にして

あります。

その意味で、建築家・工務店双方に建て主への報告義務を

怠った過失が認められます。

けれど、このケースに対しての評価は難しいところです。

まず、工務店だけから話を聞いたとのことですが、多くの

人が関係する住宅工事では、何か問題が起こると、他者に

責任を被せようとする傾向があるので、1社からの説明で

全体像を決めてしまうことは早計です。

建築家にすれば、同様の工事を雨漏りを起こすことなく

行った実績があり、それを根拠に設計を決めた可能性が

あります。

つまり、工務店の技術力が足りなかったために雨漏りが

起こったという責任転嫁ともとれます。

もちろん、工務店が主張する通り、建築家がデザインを

優先するあまり、無理を承知で先走った可能性も否定は

できません。

いずれにしても、建て主への報告義務違反に対する責任は

建築家・工務店双方にありますが、実際の責任については

もう少し関係者から話を聞き、総合的に判断をする必要が

あります。

このようなトラブルを防ぐためには、建築家任せにせず、

建て主も積極的に工務店と交流を持ち、何でも気軽に話が

できるような雰囲気づくりをすることが大事です。

ただし、工務店に対する正式な指示を、建築家を通さずに

してしまうと、これはこれで計画がおかしくなってしまい

ますので、その場合は必ず建築家にも伝えてください。

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